諸行無常なblog

〜 CRIMSONが考えたこと 〜

百器徒然袋―風

随分前に読んで内容を忘れかけてる、まだ紹介していない作品が多くあるというのに、今回はついこの間発刊されて、まだ全部読み終わってない本を紹介しちゃいます(^^;


BOOK REMARK No.30

百器徒然袋―風

『百器徒然袋―風』 著:京極夏彦  講談社文庫
(↑画像クリックで7&Yへ)

本の内容

僕はこの世でただ一人の正しい探偵 榎木津礼二郎だ!
調査も捜査も推理もしない、天下無敵の薔薇十字探偵、榎木津礼二郎。
過去の事件がきっかけで榎木津の“下僕”となった「僕」は、そのせいで別の事件にも巻き込まれてしまう。
探偵を陥れようと、張り巡らされた罠。
それに対し、榎木津の破天荒な振る舞いが炸裂する!
「五徳猫」「雲外鏡」「面霊気」の3篇を収録。
(7&Yより)




『姑獲鳥の夏』に始まる京極堂シリーズは、古本屋でありながら神主でもあり、さらには拝み屋の顔も持つ主人公:京極堂こと中禅寺秋彦が、複雑に絡み合った怪事件の“憑き物”を、その圧倒的な知識により落とす物語である。

本作は、その京極堂の友人で、探偵でありながら事件を解決するどころか混乱に貶めることも間々ある榎木津礼二郎が活躍(?)するシリーズの2作目である。
(前作は『百器徒然袋―雨』)

この榎木津礼二郎、探偵なのに捜査というものを一切しない。
それどころか、依頼人の話もほとんど聞かない。

彼には視えてしまうのだ、他人の記憶が。
正確に言うと、「視覚で捉えた映像」の記憶が視えるのだ。
だから捜査など必要ないし、しなくても「答え」が視えてしまうのである。

しかし周りの人間は、いきなり答えを言われても理解できないし、説明もつけられない。
そこで、圧倒的な知識により理路整然と答えに到る過程を解説してくれるのが京極堂なのだ。

他人の記憶が視えるという特殊な能力――と云うか体質だけでもスゴイのだが、その性格のほうがもっとスゴイ。
態度は傍若無人、言動は支離滅裂、全てにおいて破天荒だから手に負えない。
なにしろ、自分の周りの人間は“下僕”か、それ以下の“関心外の人間”としか認識しない。
下僕でない普通の人(?)はごくわずかしかいない。

そんな主人公が活躍してしまう、ハチャメチャだけど答えを外さない物語だから、面白くない訳がない。

・・・・・・と、シリーズの説明が長くなってしまった(^^;

本作の榎木津は、前作『百器徒然袋―雨』よりもパワーアップしているように感じる。
より傍若無人に、より支離滅裂に、より破天荒に、と云う意味で(笑)

それはたぶん、前作のストーリーテラーだった本島が、前作では「図らずも事件に係わってしまったために榎木津とも係わりを持ってしまった」というレベルだったのに、今作では自分から係わりを持ってしまい、めでたく榎木津の下僕に“成り上がった”ことで、本島に対する風当たりが以前よりも厳しくなったからだろう(笑)

今回は、「招き猫」,「鏡」,「お面」にまつわるお話で、それぞれの薀蓄もたっぷり盛り込まれているし、笑いのフレーバーもたっぷりちりばめられているので、楽しみながら知識も身につくと思います。


中編3編にしてはちょっと厚めの本(京極さんの作品では普通)なので、秋の夜長にぴったりですよ(^^)


後巷説百物語



人と人に相性があるように、人と本にも相性があるのだろうか?

もちろん、好きな作家・好きでない作家など、作家さんとの相性はあるでしょう。
さらに好きな作家の作品でも、好きなもの・あまり好きでないものといった相性もあるだろう。


同様に、オイラが相性を感じるのは“直木賞受賞作”である。


「好き」ではなく、「あまり好きでない」ものとして・・・・。


「天下の直木賞と相性が悪い」ってのは、偏にオイラの感性が狂っているだけなんだけど(^^;
どうにも夢中になれないと云うか、のめり込めないと云うか、“グッ”とこないと云うか・・・・。

――と云っても、直木賞受賞作はまだ3作品しか読んでないんですけどね(笑)

石田衣良さんの『4TEEN』より『うつくしい子ども』の方が感じるものがあったし・・・

宮部みゆきさんの『理由』より『火車』の方がのめり込んだし・・・

そして、京極夏彦さんの・・・・


BOOK REMARK No.29

後巷説百物語

『後巷説百物語』 著:京極夏彦  角川文庫


本の内容:

文明開化の音がする明治十年。一等巡査の矢作剣之進らは、ある島の珍奇な伝説の真偽を確かめるべく、東京のはずれに庵を結ぶ隠居老人を訪ねることにした。
一白翁と名のるこの老人、若い頃怪異譚を求めて諸国を巡ったほどの不思議話好き。奇妙な体験談を随分と沢山持っていた。
翁は静かに、そしてゆっくりと、今は亡き者どもの話を語り始める。
第130回直木賞受賞の妖怪時代小説の金字塔。(7&Yより)




決してツマラナイ作品ではない。
っていうか、よく出来てると思う。
特に「五位の光」という物語は、京極堂シリーズの『陰摩羅鬼の瑕』,『鉄鼠の檻』,『狂骨の夢』と関係がある作りになっていて、ファンとして思わずニヤけてしまった。
最後の仕掛けも上手く伏線が張られていて、悲しいけど納得のいく最後になっている。
(詳しく書きたいけど、ネタばれになるから書けない・・・・)


でも、前2作(『巷説百物語』『続巷説百物語』)を超える衝撃がなかったんだよなぁ・・・・。

この作品は、前2作よりも「あっさりしてる」感じがする。
故に、一般の方には読みやすいんじゃないでしょうか。

オイラには、若干あっさりしすぎていた感じ。(^^;

前作を知らなくても読めると思うので、直木賞受賞作好きの方は(笑)読んでみてはいかがでしょうか?



夢からはじまる

BOOK REMARK No.28

夢からはじまる

『夢からはじまる』 著:羽中田 昌(はちゅうだ まさし)  集英社


私の大好きなエッセイスト:羽中田さんの最新刊です。

この本は、羽中田さんを、彼の“夢”を大きくしてきた状況や言葉が綴られてます。


事故で半身不随になったとき

コーチの修行のため、スペインへ渡ったとき

帰国後、暁星高校のコーチをしているとき

S級ライセンスに挑戦するとき


すべて“夢からはじまった”

その度に、彼の夢は大きくなった。


やっぱり羽中田さんの本はイイっすね〜♪(^^)

サッカーへの愛情が、にじみ出ている。

人への優しさが、あふれ出ている。

サッカーのことを知らない方も、羽中田さんのことを知らない方も、きっと彼の優しさを感じることが出来るでしょう。



敗因と

1個前の記事で金子達仁(カネコタツヒト)氏のことを書いたので、今回はそれに関連して


BOOK REMARK No.27


haiinto.jpg

(↑画像クリックで7&Yへ)
『敗因と』 著:金子達仁,戸塚啓,木崎伸也  光文社


本の内容

緊急出版!ドイツW杯、日本代表は内部崩壊していた!稀代のスポーツライター3人がW杯終了後、全世界50人に及ぶ選手・関係者を徹底取材!
あの時、日本代表内部になにが起こっていたのか?そして、日本サッカーに未来はあるのか―?その真相に迫った書き下ろし渾身ノンフィクション。(7&Yより)



2006年、ドイツでの日本代表は、ベストのパフォーマンスを見せることが出来なかった。
その原因はどこにあったのか?

準備段階、環境、戦術、采配、選手のモチベーション・・・・・

見る人によって、いろいろな意見が挙げられた。
それぞれにそれぞれの問題があり、どれが正しくてどれが間違ってるとは言えない。

敗因は一つではない。

だから、本書は「犯人探し」をしているのではない。
多くの意見と同様に、一つの意見を言っている。

また同じ轍を踏まないように。


今、カナダでU−20W杯(旧ワールドユース)が開催されている。
若き日本代表は、グループリーグで2連勝し、早々と決勝トーナメント進出を決めた。
(まだ試合を観てないが、ナイジェリアと引き分けて、1位通過したようだ)

アジアカップのA代表も彼らに続いて欲しいものだ。


きよしこ

もうすっかり寒くなって、街はクリスマスの雰囲気に包まれてますね。

お店の店内放送などでは、「ジングルベル」や「赤鼻のトナカイ」,「サンタクロースがやってくる」(だっけ?)などが流れてました。

もちろん、「きよしこの夜」も。



BOOK REMARK No.26


kiyosiko.jpg

「きよしこ」(著:重松清 新潮文庫)



――星の光る夜、“きよしこ”は我が家にやってくる。
すくい飲みをする子は、「みはは」という笑い声で胸をいっぱいにして、もう眠ってしまった。糸が安いから――



「きよしこの夜」を、こんな風に勘違いして覚えた少年のお話です。
(上記枠内、本書より引用)


“きよしこ”は、星の光る夜に子供部屋の窓をトントンと叩いてやって来る。
「ピーターパン」のように・・・・

そんなヤツ、いるわけないのはわかっている。
でも、たとえ夢の中の世界でも、少年は“きよしこ”に会いたかった。

少年は吃音(どもり)で、上手く言葉を話せなかった。
そのせいで、クラスメートにからかわれたり、言いたいことを言えなかったり、悔しい思いばかりしていた。

とってもとっても悔しいことがあったクリスマスの夜、“きよしこ”がやって来た。

きよしこは少年に言った。

「君のほんとうに伝えたいことだったら・・・・・伝わるよ、きっと」


この『きよしこ』は、きよしこと出会った少年の成長を7編の短編で綴っています。
(私の好きなのは「北風ぴゅう太」と「交差点」)


ちょっと切なくて、でも心温まる、珠玉の小説です。


真希さんもオススメしていましたので、是非一度、読んでみてください!!(^^)



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      Heavy Metal

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